凍結肩(四十肩・五十肩)の話
みなさん「四十肩」や「五十肩」という名前を聞いたことはあるでしょうか?
明らかな負傷の原因がないにも関わらず、痛みがあり肩があがらないものを「四十肩」や「五十肩」といいます。
現在は「凍結肩」という呼称に変わっていますが、一般的に通じやすいのは「四十肩・五十肩」ですね。
*以降は「凍結肩」で統一します。
さてこの「凍結肩」ですが、よく『1年くらいすれば治るよ』なんてことを病院でも言われます。
なぜでしょうか?
そう言われる所以は「凍結肩」が治癒するまでの過程にあります。
「凍結肩」はその過程を「炎症期」「拘縮期」「回復期」に分けられます。
「炎症期」は炎症が徐々に起こっていき痛みが強く出る時期です。
「拘縮期」は炎症が徐々に落ち着いていき肩が固まって(拘縮)動かなくなっていく時期です。
「回復期」は固まって動かなかった肩が徐々に動くようになっていく時期です。
これら3つの段階を経て「凍結肩」は治癒するのですが、「炎症期」が始まってから「回復期」が終わり治癒するまでには1〜4年かかります。
私が読んだ論文で治癒までにかかる最長期間が4年であったため1〜4年としています。
*私が専門学校で習ったのは治癒までに1年のパターンでした。
「凍結肩」の治療をしなくても1年で治るケースもありますし、4年かかるケースもあります。
仮に治療をしたとしても1年以上かかるケースもあります。
しかしそれは、治療をしなかったら3年かかっていたものかもしれません。
「凍結肩」はその特性上、治療をすればすぐに治るという疾患ではありません。
そのため、薬にしてもリハビリにしても何にしても必ずまとまった期間の治療期間が必要です。
そして「凍結肩」に対して行える治療の全てに共通しているのは、症状を軽減させて治癒までの期間を少しでも楽に過ごせるようにするということです。
その結果としてそれぞれの期間が少しずつ短縮されれば、何もしない場合と比べて治癒までにかかる期間が短縮できるというわけです。
医業は神業ではなく人の業です。
物理現象の範囲でしか影響を与えられません。
ただ、その物理現象として「炎症の抑制」「拘縮の緩和」「回復の促進」はある程度の範囲で可能です。
できる治療をやって少しでも症状が軽い状態で過ごすのか、何もせずに最大限症状が出た状態で過ごすか。
あなたはどちらがいいですか?
それを最終的に決めるのはあなた自身です。
医療者は「提案」はできますが「決定」はできません。
後悔しない決定をしてください。
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