関節リウマチってなに?
みなさんは「関節リウマチ」という言葉を聞いたことはありますか?
なんとなく聞いたことがあるという方も、全く聞いたことのない方もいると思います。
今回は、実は意外と身近な「関節リウマチ」についてお話ししていきます。
さて、まず「関節リウマチ」というのはどういった疾患なのでしょうか?
「関節リウマチ」とは、慢性的に進行し、主に多発的な関節炎をきたす炎症性の自己免疫疾患です。
自己免疫疾患とは、本来自身を守る仕組みとなっているはずの免疫系に異常をきたし、正常な自身の細胞などに対して過剰に反応した結果攻撃してしまう疾患のことを言います。
免疫系に異常が起こることで自身の細胞を攻撃し、関節を包む袋(関節包)の内側にあるの“滑膜”というヒダ状の組織の炎症を起こし、軟骨や骨の破壊が進み最終的には関節の破壊や変形となります。
最近は聞かなくなりましたが、私がこの業界に入った頃(12年ほど前)はよく「関節が溶ける」と表現されていました。
ちなみに「リウマチ」という単語はギリシャ語の「流れ」を意味する単語が変化したもので、悪い液体が体内に貯留して痛みを起こすという古代ギリシャの考えに由来しています。
「関節リウマチ」は自己免疫疾患であるため血液に関係し、主な症状は手指・手・足指・肘・膝関節の腫れや痛み、朝のこわばり、変形なのですが、それらが左右対称に起こります。
変形性関節症は関節単位での異常であるため、症状は同じ腫れ・痛み・変形ですが、こちらは左右非対称というか左右片方のみ症状が出現します。
「関節リウマチ」は全身的な異常、「変形性関節症」は局所的な異常と覚えていただいて差し支えありません。
さてこの「関節リウマチ」ですが、その多くは30〜50歳代の女性に発生します。
もちろんそれ以外の年齢や性別で発生しないわけではありませんが、私が現場で出会うのはほぼ全て女性です。
「関節リウマチ」と診断された患者さんに話を聞くと、最初に感じる異常は「朝の関節のこわばり」だそうです。
私が関わってきた中では手の指に症状が出るケースが最も多いのですが、朝起きた時に指がこわばって曲げ伸ばしにくいということが続くため異常に気づくそうです。
実際この「朝のこわばり」は「関節リウマチ」の特有な症状なので、こわばりを感じたら整形外科を受診するようにしましょう。
この疾患は慢性的な滑膜の炎症によって関節の破壊や変形が進行していくものなので、早期に医師による診察を受けて治療を行うことが重要となります。
なぜなら、関節は変形してしまうと“二度と元には戻らないから”です。
まだ変形に至っていない初期のうちに炎症を抑えておけば、軟骨や骨の破壊も軽微で済む可能性が上がり、結果として関節の変形を軽く抑えることが可能となります。
炎症を起こりにくくするためには十分な休養や安静の重要となってきますが、医科(病院)での治療は主に薬で行います。
もちろん薬を使用した治療が重要ですが、症状が現れている関節の炎症を局所的に抑えることも重要となります。
これに関しては病院でのリハビリテーションで行ったという患者さんは今のところ聞いたことがないため、「関節リウマチ」の相談があった際は電気や光を利用した治療を行い、物理的に炎症を抑えます。
炎症を抑えても「関節リウマチ」自体が治るわけではありませんが、腫れや痛みを抑えることはできるため苦痛を軽減することは可能です。
早期に炎症をある程度抑えておけば、将来的な関節の変形の程度を軽くする可能性もあるため、早期に病院へ行き薬を使って治療をしながら、当院で物理的に炎症を抑えて苦痛を軽減することをお勧めします。
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