「揉み返し」とは何なのか
みなさんは「揉み返し」という言葉を聞いたことはありますか?
マッサージやもみほぐしを受けた後に起こるだるいような痛いような感覚ですが、この「揉み返し」というのは一体どういったものなのでしょうか。
今回は「揉み返し」が何なのか、そして「揉み返し」は必要なのかということをお話ししていきます。
さて、まず「揉み返し」というのは何なのかというところですが、端的にいうと「炎症反応」です。
マッサージやもみほぐしなどの外部から生体にかかる負荷によって筋肉などの組織が破壊されて起こった炎症がいわゆる「揉み返し」です。
組織破壊に伴う炎症なので、筋トレ後の筋肉痛とさほど違いはありません。
そしてこの「揉み返し」を「好転反応」だと説明する施術者がいます。
好転反応とは「良くなるための反応」だと思っていただいて構いませんが、「揉み返し」を好転反応だとするのは無理があります。
そもそも「揉み返し」は組織破壊に伴う炎症反応なので、組織が破壊されるほどの負荷をかけなければ起こり得ない現象です。
筋肉の硬い部分を強くゴリゴリと押して柔らかくなったように感じるのは、単純に固くなった筋繊維が破壊された事によって柔らかくなったと錯覚しているので、筋肉の柔軟性がでたのではなく筋肉の機能が低下したと考えられます。
そうすると時間とともに炎症が起こり「揉み返し」と呼ばれる状態になりますが、果たして組織を破壊しなければ体の状態は変わらないのでしょうか?
答えは「NO」です。
揉む・叩く・摩るなどをしなくても筋肉を柔らかくすることは可能(むしろ揉むなどの方法以外の方が組織破壊を伴わずに筋肉の柔軟性を実現できる)ですし、揉むなどの負荷で組織が破壊されることの方が短期的にも長期的にもデメリットは大きいと感じています。
マッサージそのものがダメだといっているのではなく、負荷のかけ方やその程度に問題がある場合はデメリットが大きいということです。
そのため私は「揉み返し」自体が生体にとって「必要のないもの」だと考えていますし、「揉み返し」が起こり得る強度の負荷も必要ないと考えています。
ここは各施術者で意見が分かれるところではあるでしょうが、私は生体に過剰な負荷をかける必要はないと考えているので、そもそもマッサージやストレッチが必要なものだとは思っていません。
私がマッサージ様の手技を行わないのはこの考えがあるからで、生体にかかる負担を軽くしつつ症状の変化を起こすためには電気刺激や超音波を使った方がはるかに有用だと考えています。
だからこそ私の施術は電気刺激や超音波など治療器を使ったものがほとんどになっているわけです。
少なくとも、マッサージが法律上できない柔道整復師はマッサージをするべきではないと思います。
(マッサージを法律上行っていいのは医師・あん摩マッサージ指圧師のみ)
みなさんも「揉み返し」を起こすような施術をする施術者にはお気をつけください。
0コメント