クセになるってほんと?ぎっくり腰編

世の中には、一度経験するとクセになってしまうと言われるものがあります。


そのうちの一つが「ぎっくり腰」です。


ぎっくり腰も一度経験するとクセになり何度でも発症してしまうと言われますし、それを心配される方も多くみえます。


しかし、本当にぎっくり腰はクセになってしまうのでしょうか?


私はこれにいつも「NO」と答えます。


そもそもぎっくり腰とは、腰部の神経の過剰な興奮が原因となって発症するものです。


神経の過剰な興奮が起きるきっかけとなる要素は「血行不良」や「反復した外力」など様々ですが、当院で特に重視しているのが「血行不良」です。


腰部の筋肉を支配している神経が興奮することで筋肉が過剰に縮む、つまり「つる」ことによって「ぎっくり腰」と呼ばれる状態になります。


ふくらはぎがつる「こむら返り」や、起床時に首に痛みを感じる「寝違い」も似たような現象です。


この神経の興奮は時間の経過とともに徐々に落ち着いてくるため「つる」状態は自然と解除されますが、一定以上の神経の興奮は残ります。


すると、常に「つる」手前の状態が維持されることになるため、何かのきっかけで神経の興奮が一定以上になるとまた同じような症状が出現します。


これが一般的に「クセになる」と言われる所以なのですが、これは正直なところ「治していないだけ」であると言わざるを得ません。


「痛みがなくなる=治る」ではないということは当院ではよく言っていますが、時間経過で痛みがなくなったとしてもそれは「治った」とは到底言えません。


常に火種が燻っている状態に等しいため、何かのきっかけで容易に再発します。


それを防ぐためには治療をしてしっかりと治しきることが大切です。


もう一度言いますが、「痛みがなくなる=治る」ではありません。


しっかりと治療をして、火種は最後まで消し切りましょう。

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